新・オーディオ入門 4

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。


PCオーディオ編
難しくないパソコンとオーディオの融合

2024.2.7 音楽データーの整理と再生

パソコンで音楽データーの整理と再生を行うソフトウェアはiTunesが有名ですが、 iTunesは完璧にハイレゾ音源に対応しているとは言い難く、パソコンでの音楽再生というよりはiPhone のための音楽管理ソフトウェアという印象です。 また、これまでPCオーディオでもてはやされてきたfoobar2000も使い勝手を考えると 第一番目の選択肢ではなくなってきたと思います。ここでは新しい音楽データーの整理と再生を行うソフトウェアをご紹介します。
●  Tune Browser
ASIO, WASAPI が使用可能なハイレゾ音源, DSD音源も再生できるライブラリ型の音楽プレイヤーソフトです。 DSD, FLAC, TTA, MP3, AAC, ALAC, Ogg Vorbis, WavPack, Wave, AIFF, APE, WMA, Opus等 多くのフォーマットに対応しています。無料の音楽再生ソフトを数多く試しましたが、現在の当社のメインのプレーヤーです。 オリジナルの再生エンジンを使用しているとのことで音質はハイスピードでクリア。 これにはRAMDecode機能と呼ばれる、ディスクにアクセスすることなく, 一旦メモリに読み込んでからデコード・再生を行う機能の効果も大きいです。
●  MusicBee
通常のリッピングソフトでは検出できない小さなエラーを見逃さず 正確に CDのリッピングを行うことができるライブラリ型の音楽プレイヤーソフトです。 当社では専らパソコンのCDドライブを利用したCDプレーヤーとして使用しています。 インターネット環境があれば、CDをドライブに挿入するだけで曲名やタイム等のCDの詳細なデータが表示されます。 ASIOに対応しており音質もCDプレーヤーと同等かそれ以上です。
●  MediaMonkey
ファイル管理機能が充実したプレーヤーをということであればMediaMonkeyが便利です。 ライブラリ型の音楽プレイヤーソフトとしてのひと通りの機能に加え、音楽ファイルのタグの編集機能が充実しています。


2024.2.8 インターネットラジオ vol.1

インターネット上のラジオ放送は、既存の放送局が放送しているコンテンツをそのままインターネット上で中継しているものと思いがちですが、 海外では特定のジャンル、ミュージシャン、楽器に特化したインターネットラジオも運営されています。 また、オーディオファン向けの高音質な配信を行なっているサイトも。ここでは複雑な登録等の手続きを行うことなく、 無料で楽しめるインターネットラジオをご紹介します。その前編です。
● Classical Radio モーツァルトチャンネル
Classical Radioはバロック以前から近現代までのクラシック音楽を57チャンネルで配信しているインターネットラジオ。 2016年から放送しています。 Classical Radioのチャンネルには『バロック』『ロマン派』といったチャンネルもありますが、おすすめは作曲家別チャンネル。 中でもモーツァルトが注目です。 モーツァルトは生涯に600曲以上作曲しており、有名な曲も多いですが、知られていない名曲もたくさんありとても楽しめます。
● 1.FM バロックチャンネル
1.FMはスイスを拠点とするインターネットラジオ局グループ。 ヨーロッパだけでなく南米でも人気のインターネットラジオです。 多くのジャンルのチャンネルがありますがおすすめはバロックチャンネル。 バロック音楽は音量の変化が少ないため、ごく小音量でBGMとして再生するには最適です。 高音質な音源も放送されており、オーディオファンも納得のインターネットラジオです。
● Jazz Radio スイング&ビックバンドチャンネル
ジャズファンには有名なインターネットラジオサイトです。 演奏スタイルや楽器別に40以上のチャンネルがあります。 Jazz Radioが多くのジャズファンに支持されている理由は、その選曲の妙。 ジャズに精通したスタッフによる選曲は、熱狂的なジャズファンであっても納得できるコンテンツです。 おすすめのスイング&ビックバンドチャンネルでは貴重な歴史的音源も配信されています。


2024.2.9 インターネットラジオ vol.2

海外のインターネット上のラジオ放送の中には、特定のジャンル、ミュージシャン、楽器に特化したインターネットラジオも運営されています。 また、オーディオファン向けの高音質な配信を行なっているサイトも。ここでは複雑な登録等の手続きを行うことなく、 無料で楽しめるインターネットラジオをご紹介します。その後編です。
● Accu Radio ジャズサックスチャンネル
AccuRadioは米国シカゴから配信しているインターネットラジオサイトです。 2000年から配信しており、インターネットラジオ局としては老舗です。 ジャズだけでなく、ポップ スやロック 、カントリー 等多くのチャンネルに加えワールドミュージックも充実しています。 おすすめはジャズサックスチャンネル。ジャズというジャンルの中での特定の楽器のチャネルというのは珍しいのではないでしょうか。
● TOP 80 FM 80年代洋楽チャンネル
2023年に開局したポルトガルから80年代洋楽を配信しているインターネットラジオです。 2024年2月の時点ではテスト中のようです。最大の特徴は高音質。帯域も広くナチュラルで良く伸びた高域が印象的です。 また、過去1時間に配信した曲名とミュージシャン名を公開しているため知らない曲を調べることも簡単に行えます。
● 181.fm 最新洋楽ヒット曲
米国バージニア州のウェーンズボロという小さな都市からジャズやロック、カントリー等約100のチャンネルで配信しています。 古くから配信されている局です。最新のヒット曲を配信しているPower 181(Top40)が人気があります。とても聴きやすい音質です。
● Beatles Radio ビートルズチャンネル
米国カリフォルニアから配信しているビートルズ専門のインタネットラジオです。 ビートルズの曲だけでなく、メンバーがソロで発売したものや、トリビュートバンドの情報も発信しています。


2024.2.10 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.1

YouTubeには多くのミュージックビデオがアップロードされており、中にはYouTubeでしか楽しむことができないものも。 現在ではYouTubeには4Kのミュージックビデオもアップロードされてくるようになりました。また、音質も良く無料ですのでぜひとも楽しみたいところです。 反面、楽しむ上でのいくつかの問題点もあります。まずはインターネット環境の問題です。十分に高速な回線でなければ高画質・高音質は望めません。 YouTubeでは1つの動画に対して、データー量の多い高画質・高音質での配信から、 低速な回線でも試聴可能なようにデーター量の少ない配信まで複数の配信を同時に行っています。 YouTubeを視聴し始めると回線速度を計算してできるだけデーター量の多い配信が行われるのですが、最も高画質・高音質で配信されているとは限りません。 特に4Kの映像ともなれば、一般家庭で使用されているインターネット回線ではかなり難しいと思います。 また、無料でYouTubeを視聴すると定期的に広告が登場します。無料のサービスを受けているのですから当然なのですが・・・。 こういった場合、最もデーター量の多い高画質・高音質の配信からパソコンに一度ダウンロードした上で 高音質の再生ソフトを使用して試聴する方法があります。この方法では広告も出てきません。ただし、ダウンロードには専用のソフトウェアが必要です。 最も使いやすいのは4K Video Downloaderです。 動画の解像度を選択して保存したり(4Kまで可能)音楽部分を分離させMP3ファイルで保存することができる無料のソフトウェアです。 無料版では1日30本までしかダウンロードできません。 4K Video Downloaderのウェブサイトは日本語でヘルプも充実しているのではじめての方でも簡単にインストールすることができると思います。 注意点をひとつ。4K Video Downloaderdはmp4形式とmkv形式の2つのファイル形式でダウンロードすることができます。 概ね解像度1080pまではmp4形式とmkv形式の2つのファイル形式でダウンロードできますが、 2Kや4Kの動画はmkv形式だけのダウンロードとなるようです。


2024.2.11 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.2

ここでは、YouTubeに最近アップロードされたミュージックビデオの中から 映像解像度が1080p以上のFull HDで、 音声は128kbpsのおすすめクラシック(オーケストラ)をご紹介します。
● ロッシーニ / ウィリアム・テル序曲
https://youtu.be/nqzH0pfTkmc?si=SRhKlazKpGmQ96lG
再生時間は12分38秒です。 2023年6月18日にすみだトリフォニーホールで行われた『タクティカートオーケストラ 家族で楽しめる!名曲コンサート』より。 指揮は石﨑真弥奈です。
● ベートーヴェン / ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」
https://youtu.be/R3tjDzLaEdM?si=RN-lWLu6J_gWjJyJ
再生時間は47分17秒です。 2023年10月28日に横浜みなとみらいホールで行われた『N響第125回定演』より。 指揮は尾高忠明、ピアノはレイフ・オヴェ・アンスネスです。 アンコールのグリーグ / ノルウェー農民の行進曲 も。
● チャイコフスキー / 交響曲第5番 ホ短調 作品64
https://youtu.be/hsCedAK9S1Q?si=0NzfV4c-Zn56Z9Al
再生時間は46分30秒です。 2023年7月2日に東京芸術劇場で行われた『Orchestra Canvas Tokyo 第8回定演』より。 指揮は田代 俊文です。
● ビゼー / 「カルメン」組曲より
https://youtu.be/IYdv1UlBMH4?si=qp5nQgWloEW8CCk8
再生時間は20分35秒です。 2021年6月27日に東京芸術劇場で行われた『2021年度同立交歓演奏会』より。 指揮は田中一嘉、演奏は立教大学交響楽団です。
● シューベルト / 交響曲第9番「ザ・グレイト」
https://youtu.be/dVDQsWMApCU?si=3Gh4TkGFIPf7NnBu
再生時間は60分10秒です。 2021年5月21日の収録です。指揮はヴァレリー・ゲルギエフ、演奏はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団です。


2024.2.12 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.3

ここでは、YouTubeに最近アップロードされたミュージックビデオの中からおすすめクラシック(小編成)をご紹介します。
● ベートーヴェン / ピアノソナタ14番 月光、8番 悲愴、23番 熱情
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間54分28秒。 2015年8月30日横浜青葉台フィリアホールで収録。演奏は松本和将。
● ドヴォルザーク / ピアノ五重奏曲「鱒」
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間39分13秒。 2013年パリで行われたプレスラー90歳を祝うコンサートより。ピアノのメナヘム・プレスラーとエベーヌ四重奏団による演奏。
● モーツァルト / アイネ・クライネ・ナハトムジーク
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間22分40秒。 2019年6月20日ブレーメンの教会で収録。演奏はブレーマーバロック管弦楽団。
●  J.S.バッハ / トッカータとフーガ
映像解像度は4K、音声160kbps。再生時間10分30秒。 2020年横浜みなとみらいホールで収録。演奏は浅井美紀。
● サン=サーンス / 動物の謝肉祭
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間20分16秒。 2021年3月5日ロサンゼルスのハリウッド・ボウルで収録。 指揮はグスターボ・ドゥダメル、ピアノはユジャ・ワンとデイビット・フォン。オーケストラはロサンゼルスフィル。
● ヴィヴァルディ / 四季
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間42分3秒。 ヴォイス・オブ・ミュージックの古楽器による演奏。
● ベートーヴェン / バイオリンソナタ5番『春』
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間22分35秒。 2020年4月8日ウィーン・コンツェルトハウスで収録。バイオリンはジュリアン・ラクリン、ピアノはヨハネス・ピールト。


2024.2.13 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.4

ここでは、YouTubeに最近アップロードされたミュージックビデオの中から映像解像度1080p Full HD、音声128kbps以上のおすすめJAZZ(ビッグバンド)をご紹介します。
● ボブ・ミンツァー・ビッグバンド / カウント・ベイシーコンサート
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は78分55秒です。 ニューヨークのサックス奏者ルボブ・ミンツァーが率いるビッグバンドです。2018年に収録されました。
● グレンミラーオーケストラ / In The Mood
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は3分20秒です。 1953年の米映画「グレンミラー物語」の音と映像をを2022年に4Kでデジタルリマスターしたものです。
● マット・フォーブス / マイ・ファニー・ヴァレンタイン
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は3分48秒です。 カナダのマット・フォーブス率いるビッグバンドです。2024年2月にアップされたばかりの動画です。
● ティロ・ウルフ・ビッグバンド / It Don't Mean A Thing
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は6分35秒です。 2017年5月23日にフュルト市立劇場で収録された『ティロ・ウルフ・ビッグバンド25周年記念コンサート』より。ヴォーカルはヨハンナ・イーザー。
● 三宅裕司 & Light Joke Jazz Orchestra with 島袋寛子 / ENTERTAINMENT BIGBAND LIVE
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は13分31秒です。2021年にブルーノート東京で行われた『ENTERTAINMENT BIGBAND LIVE』より。
● デンマーク放送ビッグバンド / Cute
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は3分19秒です。 2018年1月コペンハーゲンのDRコンサートホールで収録されました。指揮はデニス・マックレルです。


2024.2.14 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.5

ここでは、YouTubeに最近アップロードされたミュージックビデオの中からおすすめJAZZ(コンボ)をご紹介します。
● Osaka Jazz Channel / Take The A Train
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は6分22秒。2023年4月14日にブルックリンパーラー大阪で行われた『Jazz@the Parlor』より。 演奏はサックス 河村英樹、ピアノ 木畑晴哉、ベース 佐々木善暁、ドラムス 久家貴志。
● The Early Bird Jazz Band / Avalon
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は3分37秒。 演奏はボーカル マルティナ・ダシルバ、トロンボーン ジョー・マクドノー、サックス リッキー・アレクサンダー、 ギター アレックス・ウィンツ、ベース ウォルター・スティンソン。
● Jazz En Vogue / L-O-V-E
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は2分21秒。 ドイツ西部のルートウィヒスハーフェンにあるシネマ・パラディーゾで収録。
● マルチナ・ダシルバ / The Girl From Ipanema
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は3分26秒。 ニューヨーク出身のジャズシンガー マルチナ・ダシルバが2021年に発売したアルバムより。 演奏はトランペット トニー・グラウジ、ピアノ リヤ・グリゴリアン、ベース ラッセル・ホール、ドラムス チャールズ・グールド。
● 浅葉裕文(ギター)&矢野伸行(ベース) / Mack the Knife
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は2分51秒。2022年2月に収録。演奏は浅葉裕文(ギター)と矢野伸行(ベース)のデュオです。
● ROBY LAKATOS GYPSY JAZZ / チャルダッシュ
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は6分58秒。2018年5月11日にマレーシアで行われたボルネオ・ジャズ・フェスティバル2018 から。 演奏はハンガリーのヴァイオリニスト率いるROBY LAKATOS GYPSY JAZZ。


2024.2.15 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.6

ここでは、YouTubeにアップロードされているミュージックビデオの中からおすすめワールドミュージックをご紹介します。 日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、欧米では多くのミュージシャンにワールドミュージックが取り入れられています。
● Los Lobos feat. Andres Calamaro / La Bamba
映像解像度は1080p、音声160kbps。再生時間は3分52秒です。 2014年にロス・ロボスと世界中のミュージシャンが『ラ・バンバ』を演奏したものです。
● Gipsy Kings / Volare
映像解像度は720p、音声128kbps。再生時間は4分35秒です。 原曲はイタリアのカンツォーネですが、ジプシーキングによってスペイン語で歌われています。ビールのCMでおなじみです。
● Marina Mirakova / El Condor Pasa(コンドルは飛んでいく)
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は2分54秒です。 2020年収録。演奏はカザフスタンのギターリストMarina Mirakovaです。
● WDR BIG BAND feat.リチャード・ボナ / アフリカの歌と物語
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は74分36秒です。 2015年ドイツ レーバークーゼンのフォーラム・レバークーゼンで行われたコンサート『アフリカの歌と物語』より。 アフリカのテイストを取り入れたビックバンドジャズです。
● Morijah / Mon ami
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は2分50秒です。 2023年収録。歌はコートジボワール出身のミュージシャンMorijahです。高解像度の映像です。
● Belami Muka Ft Bernard Baru / Wane Mwana
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は6分17秒です。 2023年収録。コンゴ出身のミュージシャンBelami Mukaです。高解像度の映像です。


2024.2.16 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.7

ここでは、YouTubeにアップロードされたミュージックビデオの中からおすすめのポップス(カバー)をご紹介します。
● Imagine / Music Travel Love & Friends
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は3分34秒です。 ジョン・レノンのイマジンをMusic Travel Loveとその友人達がカバーしたものです。 Music Travel Loveはボブ・モファットとクリント・モファット兄弟によるカナダのミュージシャンです。
● OWNER OF A LONELY HEART / HSCC
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は5分3秒です。2022年にオーストラリアのアデレード・スタジオで収録されました。 YESのOWNER OF A LONELY HEARTをHSCCがカバーしたものです。高解像度の映像です。
● Top of the World / 二宮愛
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は3分53秒です。カーペンターズのTop of the Worldを二宮愛がカバーしたものです。高解像度の映像です。
● Stand by Me / Alexandra Ilieva
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は3分15秒です。 2020年収録。アレクサンドラ・イリエワはギリシャの北にあるマケドニア共和国のミュージシャンです。 ベン・E・キングスのスタンド・バイ・ミーをアルトサックスでカバーしています。高解像度の映像です。
● Billie Jean / Barcelona Guitar Trio
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は2分1秒です。スペイン・バルセロナのギターリスト3人のバンドです。 マイケル・ジャクソンのBillie Jeanを1本のギターだけでカバーしています。とても興味深い映像です。
● Closer / THE GORENC SIBLINGS
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は3分58秒です。 ザ・チェインスモーカーズのクローサーをTHE GORENC SIBLINGSという兄妹ユニットがカバーしています。


2024.2.17 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.8

ここでは、YouTubeにアップロードされているミュージックビデオの中からおすすめポップスをご紹介します。 ご紹介するミュージックビデオはすべて本人が歌っているものです。 最新のデジタルリマスター技術によって素晴らしい映像に生まれ変わっています。
●  The Platters / Only You
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は2分42秒です。 1955年の映像を2021年にデジタルリマスターによって4K化された映像です。 2020年にカラー化された映像もあります。
●  Neil Sedaka / Oh! Carol
映像解像度は480p、音声128kbps。再生時間は2分59秒です。 2012年、ニール・セダカ73歳の映像。映像解像度は低いのですが、音質は良好です。
●  The Ronettes / Be My Baby
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は2分59秒です。 1964年の映像を2022年にデジタルリマスターによって4K化された映像です。
●  James Brown / Sexymachine
映像解像度は720p、音声128kbps。再生時間は5分27秒です。 1971年の映像を2014年にリマスターされた映像です。 映像解像度は低いのですが、音質は良好です。
●  Aretha Franklin / Think
映像解像度は4K、音声128kbps。再生時間は6分40秒です。 1980年の映画『ブルース・ブラザーズ』の中でアレサ・フランクリンがThinkを歌うシーンです。 2020年にリマスターされた映像です。
●  Eagles / Hotel California
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は6分44秒です。 1977年に行われたメリーランド州ランドオーバーのキャピタルセンターでのライブ 映像です。 2022年にリマスターされた映像です。


2024.2.18 YouTubeでミュージックビデオを楽しむ vol.9

ここでは、YouTubeにアップロードされているミュージックビデオの中からおすすめのロックをご紹介します。 ご紹介するミュージックビデオはすべて往年のロックミュージシャン本人のものです。
●  Eric Clapton / Layla
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は6分29秒。2014年のワールドツアーから。
●  Aerosmith / Walk This Way
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は3分56秒。 2014年6月7日にイギリスのドニントンパークで行われたライブから。
●  Van Halen / Eruption & Jump
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は6分16秒。 2020年2月23日にリバプールで行われたクラシック・ロック・ショーから。
●  Yes / Owner Of A Lonely Heart
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は8分8秒。 2017年にイギリス・マンチェスターのO2 Apolloで行われたライブから。
●  Europe / The Final Countdown
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は5分28秒。 2013年6月7日にブレーキンゲのソルヴェスボリで行われたスウェーデン・ロック・フェスティバルから。
●  Bonnie Tyler / Holding Out For A Hero
映像解像度は720p、音声128kbps。再生時間は4分38秒。 2020年8月14日にチューリッヒのハレンシュタディオンで行われた スイスのミュージシャンGolaの20周年を記念したコンサートから。
●  Char / Smoky
映像解像度は1080p、音声128kbps。再生時間は6分39秒。 2018年5月20日に日比谷野外大音楽堂で行われたYaondayonから。


ノイズ対策編
的確なノイズ対策のために

2024.2.19 ノイズとは?

≪ノイズとは?≫
オーディオにおけるノイズとは何でしょう? 極論を言えば、音楽以外の音は全てノイズと考えることができます。 オーディオコンポーネントが内部で発する『ブーン』という音はノイズですし、 レコードを再生したときの『プチプチ』もノイズですし、 レコーディングされた時に偶然録音されてしまった空調音などもノイズと考えることができます。 また、電波や高周波等の耳には聴こえないノイズもあります。
≪ノイズが混入することは問題?≫
耳に聴こえるノイズが混入した場合、音楽信号が聴こえにくくなるというようなことがあるかもしれません。 しかし、これはそれほど問題にはなりません。 人は『聴きたい音』と『聴きたくない音』を聴き分ける能力があります。 例えば、テレビに夢中で呼びかけられたのに気付かなかったり、 車に乗りながらラジオを聴いているときにはロードノイズがそれほど気にならなかったりします。 前出のレコードを再生したときのプチプチ(スクラッチノイズ)も意外に気にならないものです。 問題となるノイズは『聴き分けることができない音』です。 例えば、小出力のパワーアンプで無理に大音量を再生すると音が歪んでしまいます。 これもノイズの一種ですが、歪んでしまった音は元の音に対して『聴き分けることができない』音になってしまいます。 これは、本来再生されるべき音が、歪によって他の種類の音に変化してしまう現象で、 この現象を上手く使ったものがエレキギターにおけるディストーションやオーバーロードといったエフェクターです。 エフェクターはロックで多用されますが、使用しなければアコースティックギターのような透明感のある音になります。 また、『耳に聴こえない音』のノイズも厄介です。 人が聴こえない20KHz以上の周波数帯域のノイズがオーディオコンポーネントに混入し 電子回路の特性を悪化させます。 耳には聴こえないノイズなのですから、発生源を突き止めるのも、対策をとるのも測定器なしではできません。


2024.2.20 ノイズの種類・レコードプレーヤーのノイズ

レコードプレーヤーは最もノイズに対して神経質なオーディオコンポーネントです。 出力される音楽信号は、MMカートリッジではCDプレーヤーの1/100、MCカートリッジでは1/1000しかありません。 つまり、周囲のノイズに対して100倍、1000倍影響を受けやすいコンポーネントなのです。
● スクラッチノイズ
レコード盤表面の傷やゴミで発生する『プチプチ』音です。レコードクリーナーで軽減することができます。 また、スクラッチノイズはカートリッジが縦方向の信号をピックアップするときに発生します。 横方向しかピックアップしないモノラルカートリッジではスクラッチノイズは激減します。
● ハウリング
スピーカーから発生した音や振動がカートリッジに混入してピックアップされることによって発生する『ボッ・ボッ・ボッ』という音です。 レコードプレーヤーを設置しているラックをしっかりとしたものに変更したり、ゴム系のインシュレーターを使用すると減少します。 レコードプレーヤーとスピーカーの距離をとることも有効です。
● スタイラスの汚れによるノイズ
針先にゴミが付着すると歪が増大したりノイズが発生します。スタイラスクリーナーで除去します。
● 電源ノイズ
電源には多くのノイズが重畳しています。 レコードプレーヤーは出力電圧が低いため、ピンケーブルと電源ケーブルが近づいただけでもノイズを拾うことがあります。 特にに暖房器具によるノイズは強烈ですので冬にだけノイズが発生するような場合は疑う必要があります。
● ハムノイズ
モーターから発生する磁気ノイズがカートリッジに影響を与えて発生することが多いノイズです。 『ブーン』という連続音で、カートリッジとモーターの距離によって音量が変化するようであれば間違いなくハムです。


2024.2.21 ノイズの種類・アンプのノイズ

オーディオアンプが影響を受けるノイズを挙げてみたいと思います。
● トランスうなり音
これはパワーアンプのように大容量の電源トランスが搭載されている機器で問題になるノイズです。 壁のコンセントには交流の電気が供給されてきていますが、ここに僅かでも直流が混入すると電源トランスにうなり音が発生するようになります。 このノイズはスピーカーから発生するのではなく、パワーアンプ本体から『ブーン』という音がします。
● 磁気ノイズ
これもパワーアンプのように大容量の電源トランスが搭載されている機器で問題になるノイズですが、 パワーアンプに影響がでるのではなく、近くに設置されたオーディオコンポーネントに影響を及ぼします。 特にレコードプレーヤーには大きな影響を与えますので注意が必要です。
● アースの回り込み
3Pのアース付プラグを使用する海外製のアンプで発生することがあります。 例えば、プリアンプとパワーアンプに3Pプラグが使用されていると、 プリアンプとパワーアンプはピンケーブルと電源ケーブルの両方で接続されていることになり、 音楽信号の伝送線路の一部が電源ノイズの線路と共用されてしまうことで発生します。 2P-3Pアダプターを使用して伝送線路をカットすることで発生を抑えることができます。
● 温度によるノイズ
オーディオコンポーネントは人がいる部屋に設置されるよう設計されています。温度が高過ぎたり低すぎたりするとノイズや歪が増加する場合があります。 いわゆる『エージング』もそのひとつです。温度が低い部屋でアンプに電源を投入した直後は音に伸びが無かったり、歪っぽく聴こえることがあります。 これはアンプ自身の発熱と外気温のバランスが大きく崩れているために起る現象です。数分から1時間程度で解消されます。 また、真夏の暑い日にはアンプが必要以上に発熱しノイズが増加することもあります。


2024.2.22 ノイズの種類・スピーカーにまつわるノイズ

スピーカー自身は増幅回路もなく、電源も必要ありませんが、ノイズを発生させたり、パワーアンプがノイズを発生する原因となることもあります。
● 入力オーバー
スピーカーは一定入力が加わると歪が増加し、さらに大きな入力が加わると『バリッ』というようなノイズを発生します。 音楽信号はその平均値に対して、最大値が10倍以上になることがあります。 とくにクラシックのようにピアニシモからフォルテシモまでが1曲の中に存在するような曲では入力オーバーになる可能性が大きく注意が必要です。 入力オーバーは口径の小さいスピーカーで起こりやすくなります。大音量で再生する場合は口径10cmのスピーカーはおすすめできません。
● f0(最低共振周波数)以下の超低域での歪
低域の再生を担当するウーハーはf0(最低共振周波数)以下では一般的な音楽再生での振幅以上に大きな振幅になる場合があります。 また、f0以下の超低域の音は、人の耳の感度が下がる領域であるため大音量が発生していても気づかないことも多く、 知らない間にノイズが重畳していることもあります。
● 逆起電力
スピーカーは電気信号によって音が再生されますが、逆にスピーカーのコーン紙が動くと電気が発生します。 これを逆起電力といい、逆起電力がスピーカーからパワーアンプへと逆流し、パワーアンプのNFB回路からパワーアンプ初段にもどり、 歪成分が増幅されてスピーカーで再生されるという悪循環になります。
● エンクロージャーの共振
強度が高いエンクロージャーをもつスピーカーであっても、寸法や板厚によっては特定の周波数で異常な振動が発生することがあります。 これを共振現象といいますが、共振した周波数で音楽が不自然に強調されたり、耳障りな音質に変化したりします。


2024.2.23 オーディオシステム外でのノイズ対策

ノイズの中には思わぬところから混入し、オーディオシステムに影響を与えるものがあります。 このような場合はノイズの発生源を断ったり、ノイズの伝送経路を遮断する方法でノイズ対策を行います。
● デジタルノイズ
パソコンやCDプレーヤー等のコンピューターを搭載したデジタル機器から発生します。 デジタルノイズは一定の周波数・波形ではなくコンピューターの動作状態によって変化します。 これをオーディオシステム側での混入を防ぐ対策は困難です。 しかし、ノイズの発生源が特定されているのですから、発生源側での対策は可能で、 最も簡単な対策はオーディオシステムとパソコンの距離をとることです。 空間を伝送するノイズは距離の2乗に反比例し減衰します。 パソコンとオーディオ機器の距離を2倍にするとノイズは1/4に、3倍にするとノイズは1/9に減少します。
● 電磁波ノイズ
電磁波ノイズには多くの種類があり、上記のデジタルノイズも電磁波ノイズのひとつと考えることができますが、電磁波ノイズで厄介なのは電波です。 無線局やラジオ局の電波がオーディオ機器に混入することは稀ですが、Wifi機器やスマホなどが発生する電波は、 そこで発生させる必要があって放射されている電波ですので停波させたり、電波を弱めたりすることは困難です。 また、周波数が高いため僅かな隙間からでも混入しますのでシールドも効果が薄く、対策が困難な種類のノイズです。
● 電源ノイズ
電源ノイズは電灯線で伝送され壁のコンセントからオーディオシステムに混入するノイズで、発生源の特定も困難です。 伝送線路が電線ですので長い距離でも伝送されてしまいます。 ただし、伝送線路は電灯線のみですから、電源ノイズフィルターやアイソレーショントランス等を使用することでかなりの確率で解消することができます。 しかし、効果的な電源ノイズフィルターやアイソレーショントランスは高価です。


音質と特性編
良い音に近づくために

2024.2.24 音と特性の関係

 音が良いオーディオコンポーネントと特性の良いオーディオコンポーネントに関連性はありますが、完全に一致するわけではありません。 音が良いオーディオコンポーネントが必ず良い特性とは限りません。 オーディオコンポーネントにおける特性は音の目安でしかありません。しかし、音を想像する一助となるもの事実です。 また、音の良さと高音質が一致しない理由に未知の特性が関係していると考える方もいます。 まだ人類が測定することができない『音の良さの指標』があるのだろうという説です。 人がオーディオコンポーネントで音楽を楽しむようになってから100年以上になりますので未だ発見されていない指標は考えにくいとは思いますが・・・。
 多くのオーディオファンが周波数特性を重要視し過ぎていることも問題です。 『低音がよくでるスピーカー』とか『高域が綺麗なアンプ』というように周波数特性は人が感じやすい特性ではありますが、 周波数特性と音質は別の要素です。音質は『音のクオリティ』の意味であり、周波数特性の『音のバランス』とは別のエレメントなのです。 良い音のオーディオシステムを構築するためには『音のバランス』よりも『音のクオリティ』にこだわらなければなりません。 なぜならば、『音のバランス』は色々な方法で調整可能ですが、『音のクオリティ』が低いものを上げることはできません。 ムジカでは昨年ハイレゾに対応したグラフィックイコライザーを発売しました。 グラフィックイコライザーを調整していると『音のバランス』は簡単に調整可能ですが、 『音のクオリティ』が低いオーディオシステムでは何をやっても良い音にはならないということを実感します。
 1970年代まではのオーディオ誌では音質よりも特性が重視されていました。 特性が良いオーディオコンポーネントはきっと高音質であり、そうならないのはセッティング等に問題があると思われていました。 その反省から1980年代以降は試聴結果を重視するようになります。現代はあまりにも試聴に偏った評価になっていると危惧してします。 特性と試聴をバランスよく取り入れ、音の本質を見抜くことが良い音への近道だと考えられます。


2024.2.25 スピーカーの特性表の見方

クアドラル社のクロミウム65 の仕様を例にスピーカーの特性表の見方を解説します。 ドイツのスピーカーですのでヨーロッパ的な表現となっているところがあります。
● 構成
2ウェイ3スピーカーは音楽を2つの帯域に分割し3つのスピーカーで再生しているという意味です。
● 最大入力(Nominal/music power) 90/140 W
これ以上の信号を入力するとスピーカーが故障するという値です。正弦波では90w、音楽信号では140wまでokという意味です。
● 周波数特性 34Hz~55000Hz
人の可聴周波数は20Hz~20000Hzと言われています。最近はハイレゾ音源に対応するため~50000Hz程まで伸びているものが増えてきました。 低域はエンクロージャーの大きさとウーハーの性能によって決定されます。音楽を楽しむためのオーディオ用であるならば最低限50Hz、できれば40Hzまでは確保したいところです。
● 能率 87dB/1W/1m
1wの信号を入力して、1mの距離で聴いた時に音量が87dBという意味です。 音量100dBでクラクションくらい、90dBで犬の鳴き声くらい、80dBで地下鉄の車内くらいといわれています。 最近のスピーカーでは86~93dBが標準的です。この数値から大きく外れる場合はパワーアンプの慎重な選定が必要になります。
● インピーダンス 4オーム
スピーカーの入力インピーダンスは低いほどスピーカーの設計における自由度が高くなります。反面、アンプにとっては低いほど過酷な負荷となります。 真空管時代は16オームが標準でしたが、トランジスター時代には8オームとなり、現在では4オームのものが増えてきました。 現代の4オームのスピーカーを古いアンプで再生するときは注意が必要です。


2024.2.26 パワーアンプの特性表の見方

パワーアンプの仕様を例に特性表の見方を解説します。 カギカッコ内は一般的な100wクラスのパワーアンプの仕様です。
● 『定格出力:100w+100w』
定格出力とは正弦波を出力し続ける事が出来るような出力電力です。 ミュージックパワーという表示であれば、音楽信号を使用して出力する事が出来る電力を指します。
● 『ゲイン: 26dB』
1vの入力に対して、20vが出力されたのならば、ゲインは20倍、デシベルで表現すると26dBとなります。 ゲインが大きいと大きな音で再生できますが、定格出力が大きいわけではありません。 ゲインと定格出力は全く別の指標です。
● 『周波数特性: 5Hz~80KHz(-3.0dB)』
最も出力電圧が大きくなった周波数に対して-3.0dB(71%)の電圧になった周波数です。
● 『全高調波歪率: 0.01%以下』
ある特定の周波数を定格出力で出力させた状態で、 その周波数成分だけを除いたときに残留している他の成分の割合です。 例えば、定格出力が100w(8オーム)のパワーアンプの場合、定格出力=電圧×電圧÷インピーダンスなので 出力電圧は28.3vになり、全高調波歪率0.01%以下ということは、28.3×0.0001=0.00283v。 歪成分は2.83mv以下ということになります。
● 『電源: AC100V 350W』
オーディオコンポーネントの電源電圧は通常90~110vで使用できます。 しかし、商用電源は94~106v変動すると言われていますので、 スライダック等であえて電源電圧を変化させる場合でも96~104vに留めて下さい。 また、パワーアンプの消費電力は定格出力の半分を出力した時に電源が消費している電力です。


2024.2.27 ヘッドホンの特性表の見方

ヘッドホンには、スマホ用とオーディオ用がありますが、ここでは一般的なオーディオ用のヘッドホンを例に仕様の見方を解説します。
● Acoustic principle(形式) :オープンエアー型
オープンエアー型は外部に音が漏れますがナチュラルな音質。密閉型がスタジオで使用されており、 正確に着用をしないと周波数特性のバランスが崩れるので注意が必要です。
● Plug(接続プラグ) : 3.5mm
現在の標準は3.5mmステレオミニプラグですが、かつては6.3mmステレオフォーンプラグでした。現在でも業務用は6.3mmです。
● Frequency response(周波数特性) : 14~26,000 Hz
ヘッドホンはスピーカーよりも広帯域です。特に20Hz以下の超低域は一般的なスピーカーでは再生不可能です。ところがヘッドホンで聴くとそれほど低域が出ているようには感じません。超低域は皮膚が振動として感じ取っていると言われています。 和太鼓の音などが俗に『腹にドンとくる』などと言われるのはそのためです。超低域の迫力はヘッドホンでは再生困難です。
● Impedance(インピーダンス) : 50オーム
嘗てヘッドホンのインピーダンスは600オームでした。だんだん下がっていき、スマホの登場で数オームにまでなりました。 インピーダンスの低いヘッドホンはヘッドホンアンプに負担がかかります。ドライブ能力のあるヘッドホンアンプでないと性能が発揮できません。
● Sound pressure level(音圧レベル) : 108 dB (1kHz, 1Vrms)
スピーカーでいう能率にあたります。大きいほど大きな音にになります。
● Total harmonic distortion(全高調波歪率) : 0.2%以下(1kHz 100dB)
1KHzの正弦波を100dBで再生したときに、1KHz以外の成分が再生する割合です。このヘッドホンは1Vのとき108 dBの音圧で再生しますので、100dBでは約0.4Vとなります。 0.4×0.0002=0.00008V=0.08mVですので、0.4Vの信号を入力したときに0.08mvの歪が発生するということです。


2024.2.28 脳にとっての高音質

 オーディオに詳しくない方から「オーディオの音が良いとか悪いとかの違いが判らない。」と聞く事があります。 そんな方でも、電話越しに友人が風邪で声が変わっているときには分かるとのこと。これはとても不思議なことです。 電話越しでの風邪による声の違いは最新の測定器でも測定できないほどの僅かな違い。 つまり、人は僅かな音の違いを聴き分ける能力があるにもかかわらず、その能力を自身で認識していないと考えるべきでしょう。
 無音の状態をマンガの世界では『し~ん』と表現します。 都会に住む方が、「静かな山小屋に宿泊したら『し~ん』という音を聴いた。」とおっしゃっていました。 私達は日常、何らかの音がある中で暮らしています。 人は何らかの音がある状態がデフォルトであり、いつも聞こえているはずの音がない完全無音の空間では、 脳が『いつもの音』がないことを不審に思い、それが『し~ん』と聴こえてしまうのかもしれません。
 私達はテレビで好きな番組を見ている時、エアコンの風の音は気になりません。 しかし、真夏にエアコンが効かない時、エアコンは故障してないだろうか?と考え始めるとエアコンの音だけが聴こえ、 テレビの音は聴こえず・・・となりますが、耳にこんな便利な機能はありません。 音は耳で『聞いて』いますが、音を『聴いて』いるのは脳なのです。
 耳は音波を検出するマイクロフォンにすぎません。 オーディオコンポーネントは脳に音楽を伝送するための線路の途中部分と考えるべきで、 そのため、ハイレゾ音源では耳では聞こえないと言われている20kHz以上の可聴帯域外の周波数帯域を再生できるようにしたり、 耳では聴こえませんが、皮膚が振動として感じ取ることができる20Hz以下の超低域を重要視し、 スピーカーに耳をつけないと聴こえないようなごく僅かなノイズを取り除く努力をします。 オーディオコンポーネントを脳ファーストで考えたとき、 測定結果や価格、ブランド以外の本当の音の良さを左右する要素が見えてくるのではないかと考えています。


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