モノラルパワーアンプ Cuculo-mono2
Cuculo(ククーロ)はイタリア語でカッコウを意味します。 ベートーヴェンの交響曲『田園』の2楽章終盤にクラリネットによるカッコウが登場します。 田園で最も印象的な小節です。 横幅は119mmでコンパクトなボディのCuculoシリーズは小さくても存在感のあるオーディオ機器を目指しました。 2023年、Cuculo-monoはCuculo-mono2に進化しました。 周波数特性は4Hz~90KHzと超広帯域になり、高品位なハイレゾ音源の再生も可能となりました。 また、Cuculo-att2の内部配線の内、最もナーバスなスピーカー出力回路の内部配線材をテフロンワイヤーとしました。 モデルチェンジ前よりシャープな音質となりました。
ステレオパワーアンプの問題点はアースポイントの不明確さです。 アースは入力端子近くで『ワンポイントアース』が理想。 入力端子でLch/Rchのアースをシャーシに接地したとき最もノイズに強く高音質になります。 しかし、ステレオアンプでは多段に及ぶ増幅段のアースや電源にアースが交錯します。 これによりアースポイント間に電位が発生しノイズや歪の原因になります。 Cuculo-mono2のアースポイントは定石通り入力RCA端子の1ケ所だけ。 モノラルアンプのメリットはチャンネルセパレーションが良いだけではなく、 適正化されたアースポイントによって、空間から音楽が湧き出てくるようなモノラルアンプ独特の音場を作り上げます。
Cuculo-mono2は小型ながら50Wのパワーを誇りますが、デジタルアンプではありません。 現時点では低音の力強さやダイナミックレンジ、微小信号の歪感においてアナログアンプに軍配が上がります。 デジタルアンプのメリットは発熱が少ないため、ヒートシンクが不要という点や、 電源のパワーが少なくても同じだけの出力が出せる等、コストダウンに関わることばかりです。 デジタルアンプの音質は特有の粗い高音と細い低音と魅力はあまり感じられません。 アナログアンプは微小な音楽信号も増幅し、瞬間的な大パワーにも強い増幅回路です。 音楽の僅かなニュアンスの違いを表現するミュージシャンやここぞというときにエネルギーが爆発するライブ会場の空気はアナログアンプだからこそ再生できるとムジカは考えています。
Cuculo-mono2のトップパネルにはノルウェー産の天然御影石『エメラルドパール』が使用されています。 エメラルドパールは『石』と『宝石』の中間に分類される高価な石材で『貴石』と呼ばれます。 エメラルドパールの中には半透明乳白色の結晶が数多く含まれていますが、 これはムーンストーンと呼ばれる宝石の原石です。 当社が位置する岐阜県・西美濃は石材加工が盛んです。 1936年に竣工された国会議事堂や1918年に竣工された大阪市中央公会堂の大理石は 西美濃エリアで加工されたものです。 近年では中国等で加工される石材が多くなりましたが、 本機のトップパネルは西美濃エリアで加工されたものを使用しました。 また、側面の放熱用空気孔はバイオリンのFホールを模しています。
Cuculo-mono2のフロントパネルはとても複雑な加工がされています。 アルミニューム無垢材から1枚1枚削り出して製作されています。 プラスチックや薄い鉄板を曲げた「パネルもどき」ではありません。 切削に使用する機械は、たたみ2畳程の大きさ。 高速に回転する刃物がアルミニュームを少しずつ削っていきます。 1枚のパネルを削るのに20分もの時間を要します。 当社が位置する岐阜県・西美濃エリアは自動車産業や航空機産業が盛んなエリア。 こういった特殊技術をもつ協力工場でCuculo-mono2のパーツの80%以上が製造されています。
オーディオ機器は非常に高度な電子機器です。 日本の「ものづくり」は故障やバラツキの少なさで品質世界一になりました。 これは緻密な設計に加え、長年培ってきた「ものづくり」に対するこだわりがあるからです。 musicaの製品は水と自然に恵まれた岐阜県・西美濃エリアで製造されています。 例えばプリント基板。当社で設計されたオリジナルのプリント基板は 当社と同じく岐阜県大垣市にある協力工場で生産されています。 この工場では信頼性が要求される自動車・レクサスや北陸新幹線のプリント基板も生産しています。
カスタマイズは購入時はもちろん、購入後も可能です。
価格は カスタマイズ一覧表をご覧ください
Cuculoシリーズは、当社のフラグシップモデルRaichoシリーズに準ずるクオリティをもっています。 Cuculoシリーズの企画段階のコンセプトは『Raichoシリーズを補完するもの』。 Raicho5や6は、パワーアンプやプリアンプ、プリメインアンプといった基幹モデルのみの発売です。 レコードを聴くにはフォノアンプが、デジタル音源ならD/Aコンバーターが必要です。 このように、Raichoの脇を固める補完モデルがCuculoシリーズなのです。 現在では、Cuculoシリーズのみでシステムを構成することができますが、 そのクオリティは現在も変わりません。
●型名 Cuculo-mono2
●入力 RCA 1系統(ライン)
●周波数特性 4Hz~90KHz
●出力 50W
●外形寸法 W119mm × H70mm × D196mm
●内容物 電源アダプター
●標準価格 ¥89,800(税込・1台)