パッシブアッテネーター Cuculo-att2
Cuculo(ククーロ)はイタリア語でカッコウを意味します。 ベートーヴェンの交響曲『田園』の2楽章終盤にクラリネットによるカッコウが登場します。 田園で最も印象的な小節です。 横幅は119mmでコンパクトなボディのCuculoシリーズは小さくても存在感のあるオーディオ機器を目指しました。 2023年、Cuculo-attはCuculo-att2に進化しました。 パッシブアッテネーターの最大の問題点は23のステップ。 特に、小音量再生時、1ステップの変化が大きく感じてしまいます。 Cuculo-att2では後面に-12dBモード切替スイッチを設け 小音量時のステップ間の補間を行っています。 また、Cuculo-att2の内部配線の内、最もナーバスな出力側の内部配線材をテフロンワイヤーとしました。 モデルチェンジ前よりシャープで引き締まった音質です。
音量調節を行う23接点ロータリースイッチには オシロスコープ等の測定器用の高信頼性のスイッチを使用しました。 通常のボリュームと比較すると接点部分の接触抵抗が低く、 歪も少ないため微小信号をロスなく切り換えることができます。
Cuculo-att2は業務用の「dBステップ」アッテネーターではなく、 一般的な音量調整ボリュームに近い『A特性』です。 スタジオや音響機器測定試験では「dBステップ」のアッテネーターが使用されますが、 これを一般的なオーディオ機器と組み合わせた場合、 細かな音量調整がしにくいという欠点がありました。 Cuculo-att2は人間がリニアリティを感じる音圧カーブ(A特性)を採用しています。
Cuculo-att2のトップパネルにはノルウェー産の天然御影石『エメラルドパール』が使用されています。 エメラルドパールは『石』と『宝石』の中間に分類される高価な石材で『貴石』と呼ばれます。 エメラルドパールの中には半透明乳白色の結晶が数多く含まれていますが、 この部分はムーンストーンと呼ばれる宝石の原石です。 ムーンストーンは6月の誕生石にもなっています。 当社が位置する岐阜県・西美濃は昔から石材加工が盛んなエリア。 1936年に竣工された国会議事堂や1918年に竣工された大阪市中央公会堂(中之島公会堂)の大理石は 西美濃エリアで加工されたものです。 本機のトップパネルは西美濃エリアで加工されたものが使用されています。
Cuculo-att2のフロントパネルはとても複雑な加工がされています。 アルミニューム無垢材から1枚1枚削り出して製作されています。 プラスチックや薄い鉄板を曲げた「パネルもどき」ではありません。 切削に使用する機械は、たたみ2畳程の大きさ。 高速に回転する刃物がアルミニュームを少しずつ削っていきます。 1枚のパネルを削るのに20分もの時間を要します。 当社が位置する岐阜県・西美濃エリアは自動車産業や航空機産業が盛んなエリア。 こういった特殊技術をもつ協力工場でCuculo-att2のパーツの80%以上が製造されています。
カスタマイズは購入時はもちろん、購入後も可能です。
詳細は カスタマイズ一覧表をご覧ください
Cuculoシリーズは、当社のフラグシップモデルRaichoシリーズに準ずるクオリティをもっています。 Cuculoシリーズの企画段階のコンセプトは『Raichoシリーズを補完するもの』。 Raicho5や6は、パワーアンプやプリアンプ、プリメインアンプといった基幹モデルのみの発売です。 レコードを聴くにはフォノアンプが、デジタル音源ならD/Aコンバーターが必要です。 このように、Raichoの脇を固める補完モデルがCuculoシリーズなのです。 現在では、Cuculoシリーズのみでシステムを構成することができますが、 そのクオリティは現在も変わりません。
●型名 Cuculo-att2
●出力 RAC 1系統
●入力 RAC 4系統
●レベル調整 0~-∞dB(23ステップ)
●その他の機能 -12dBモード切替スイッチ
●外形寸法 W119mm × H70mm × D196mm
●標準価格 ¥89,800(税込)