新・オーディオ入門 2
『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオシステムにおいてスピーカーと共に音質に最も影響を与えるのはパワーアンプ。
どこような方式のパワーアンプでも、高価なものでも、リーズナブルなものでも一応音はでます。
しかし、高性能なスピーカーがその性能を発揮するためには、そのスピーカーに相性の良いパワーアンプの存在が不可欠です。
その指標のひとつとなるのが出力電力(いわゆるパワー)です。
パワーはその方の音楽の聴き方により、1wの真空管パワーアンプで十分という方もあれば、500wのパワーアンプでないと・・・という方も。
実はパワーアンプの出力は最適値を計算することができるのです。
計算には、スピーカーの能率、スピーカーとリスナーとの距離、再生時の音量のデーターが必要になります。
スピーカーの能率はカタログに掲載されており、最近のスピーカーでは90dB/w/mくらいのものが多いでしょう。
再生時の音量はBGMとしてであれば60~70dB。大音量で楽しむ方であれば80~90dBです。
仮に、スピーカーの能率を90dB/w/m、リスナーとスピーカーの距離を3m、80dBので聴く事とすると、
リスナーの位置での音圧80dBを確保するためには、リスナーとスピーカーの距離が3mですのでスピーカーの位置では100dBの音量である必要があります。
能率90dB/w/mのスピーカーであれば3ワットのパワーが入力されている状態です。
この3wというのは音楽の平均値ですのでフォルテシモの部分の最大値はその10倍の30ワット程度は必要です。
ということでパワーアンプは30w以上のものであれば100wでも500wでもパワー不足にはなりませんが、パワーアンプには『おいしい領域』が存在します。
パワーアンプの定格出力に対して1/10以下になるような領域での使用はノイズや歪が多くお勧めできません。
定格出力を超えてしまうと歪が発生します。そのため定格出力に対して30%~100%で使用するのが理想的です。
これを加味すると30~100wくらいのパワーアンプを選べば良いことが判ります。
この値を基本に適正値を計算すると、リスナーとの距離が4.5mであれば60~200wは必要ですし、BGM程度の音量で楽しむのであれば10~30wもあればOKです。

コンサートホールやレコーディングスタジオ、放送局等で使用される業務用音響機器とホームオーディオ用コンポーネントには厳格な住み分けがあります。
一部のマニアは業務用音響機器を『音が良いから』『信頼性が高いから』という理由でホームオーディオに使用しています。
スタジオモニターのスピーカーや劇場用PAスピーカー、業務用のパワーアンプやCDプレーヤー、レコードの検聴用カートリッジ、レコーディング用密閉型ヘッドホン等沢山あります。しかしこれらのホームオーディオでの安易な使用には注意が必要です。
ムジカではホームオーディオ用コンポーネントと業務用音響機器の両方の生産をしていますが、音質のクオリティに大差はありません。
大きく異なるのは耐久性とメンテナンス、そして価格です。ムジカの業務用機器は大規模なスタジアムや大手レコード会社のレコーディングスタジオでも使用されていますが、使用中に故障ともなると大問題です。
そのため割高でも高信頼性の電子パーツが使用されます。筐体設計では、デザインよりも堅牢でメンテナンス性の良い事が重視され、その結果製品の価格が跳ね上がったとしても、それを良しとするのが業務用音響機器です。
また、業務用音響機器には定期的なメンテナンスが欠かせません。故障するまでメンテナンスなしで使い続けるのではなく、数年ごとに有償の定期メンテナンスとオーバーホールを繰り返して使い続けます。
その上で全交換の時期となると、故障していなくても破棄し、新品と交換します。
こうして業務用音響機器は『使いたいときに常に使える状態』をキープしているのです。
また、ホームオーディオでは機器の静寂性が求められます。機器とリスナーがリスニングルーム内に同居しているためですが、業務用音響機器はスタジオ内に置かれることはなく、副調整室や機械室に設置されます。
業務用のパワーアンプは冷却のためのファンが取り付けられていることが多いのですが、ファンの回転音はホームオーディオでは耳障りなノイズ源です。
業務用音響機器をホームオーディオ感覚で使用すると、高価な上にランニングコストが高く、使いにくいコンポーネントとなる可能性があるのです。

音楽を聴くための空間であるリスニングルームもまたオーディオ再生システムの一部と考えることができます。
ここではリスニングルームと上手に付き合う方法を書いてみたいと思います。
リスニングルームの広さとスピーカーのサイズの関係は大切です。大きな部屋には大きなスピーカーを、小さなお部屋には小さなスピーカーをお勧めします。
リスニングルームの広さによってスピーカーのサイズが決まってしまうといっても過言ではありません。
8畳までのお部屋であれば16cm以下の口径のユニットを搭載したスピーカーシステムがおすすめです。
12畳くらいであれば25cm以下、38cmウーハーを使用するのであれば20畳くらいは欲しいところです。
6畳間で38cmウーハーを搭載したスピーカーを再生するとどうなるのでしょう?
低域はキレがなくモコモコして、音場がうまく再現できず不自然なステレオ感になる可能性が大です。
また、セッティングの難易度はかなり高く、オーディオボードやインシュレーターでは調整しきれない可能性もあります。
逆に体育館のような場所で小型のブックシェルフスピーカーを再生すると音圧が足りなくなり、歪が多く伸びのない音になってしまいます。
また、リスニングルームの反射について考えることも重要です。フローリングの部屋は床や壁からの反射が多くなりがちです。
このような場合、昔は大量の吸音パネルや厚手のカーテンを取り付けましたが、最近はできるだけ吸音性のものを使用しない方法がとられます。
リスニングルームはある程度の反射があった方が音楽が生き生きと再生されます。吸音性のものを大量に使用するとなんともつまらない音になってしまうからです。
こういった場合はスピーカーの位置や高さを調整したり、音を拡散(吸音ではなく)するような工夫をします。
当社の試聴室では低音のこもりを解消するため、部屋の隅に写真のような反射板を設置しています。
また、ソファー等の吸音性のものをたくさん置くのも問題です。音の反射の多い部屋を反射が少なくなるようにすることは簡単ですが、その逆はとても大変です。

オーディオコンポーネントの寿命はどの程度と考えればよいでしょう?オーディオコンポーネントは冷蔵庫やテレビと同じ家電製品です。メーカーは10年を目処に設計しています。
但し、環境や使用頻度、ユーザーによる定期的なチェックとメーカーによるメンテナンスやオーバーホールをきちんと行うことによって長寿命となり得ます。
私が使用してきた他社製オーディオコンポーネントは30年使用できているものもあれば、数年で故障してしまったものもありました。
ユーザーの中には10年は短いのではないかと考えられる方もあるかと思います。
実は長くする事は難しくはありません。高信頼性・高耐久性のパーツを使用し、余裕を持った熱設計で、オーバーホールのしやすい構造にすれば20年くらいにする事は比較的簡単です。
しかしこれではコストは2倍以上になった上に、音質のグレードは変わりません。これはユーザーにとっては損なお話なのです。
20年使用できる20万円のアンプを購入するよりも、10年使用できる10万円のアンプを購入し、10年後に10万円の技術的に進化したアンプに買い替えた方が高音質で音楽を楽しむ事ができるでしょう。
但し、この考え方は高音質を追求するオーディオコンポーネントに対する考え方です。見た目や思い出を重視するアンティークオーディオの世界はこの限りではありません。
アンティークオーディオの維持にはとても高額なメンテナンス費用がかかりますし、音質は最新のオーディオコンポーネントに及びません。
しかし、デザインを楽しんだり、特定の古い音源だけを再生するセカンドシステムとしてはとても魅力的です。
余談ですが、アンティークオーディオで『オリジナルの音質』にこだわる方がありますが、あまり意味のないことです。
米国の有名アンプメーカーのリペアマンから聴いたのですが、古いアンプをオーバーホールし劣化していたパーツを交換したところ、お客様から音質が変わったとクレームになったそうです。
このアンプが生産された時の本来の音質になっているのに・・・とのことでした。
オーディオ用電源には色々なタイプが発売されていますが、これらにはそれぞれ得意・不得意があり、使用すると自動的に高音質になるわけではありません。メリット・デメリットを知った上で適材適所で使用することが大切です。
● 電力伝送系
テーブルタップや電源ケーブルが相当します。電源をオーディオコンポーネントに損失少なく伝送することが目的であって、使用すると音質が良くなるわけではありません。
しかし使用しないと音楽が再生できません。例えば電源ケーブル。
オーディオコンポーネントに付属されている電源ケーブルは最低限の機能を果たすレベルのものである場合がほとんど。
これをハイクオリティな電源ケーブルに交換することによって相対的に高音質になるのです。テーブルタップや電源ケーブルが太いものほど良いと言われているのは抵抗値が低く、損失が少ないからです。あながち間違った考え方ではありません。
● クリーン電源系
アイソレーション電源やノイズフィルター、ノイズカットトランスが相当します。アイソレーション電源は電源電圧が変動しても安定した100v一定の電圧を供給し続ける機器です。
壁のコンセントは、真夏の日中は94vまで下がる可能性がありますし、夜中のように電気を使用しない時間帯は106vまで上昇することも。
オーディオメーカーは100vでアンプを設計していますので上がっても下がってもメーカーの意図しない電源環境になります。
また、壁のコンセントの電気は発電所から遥々何百キロも伝送されて来るのですが、その間にノイズが混入したり、歪んだりしてします。
アイソレーション電源は電気的に作り出したノイズや歪のない電源を供給することで高音質を実現します。ノイズフィルターやノイズカットトランスも歪やノイズを減少させる似たようなアイテムです。
アイソレーション電源よりも簡易的なものと考えれば良いと思います。

● 保護対策系
サージアブソーバー、ゼロクロススイッチ等が相当します。サージアブソーバーは雷の瞬間的な高電圧からオーディオコンポーネントを保護します。
しかし、自宅に雷が落ちたというような直撃雷には無力で、遠くの電柱に落ちた雷で多少の効果が見込める程度です。
ゼロクロススイッチは突入電流を減少させるアイテムです。アンプが故障する場合、音楽を聴いていたら急に聴こえなくなることは稀です。
使用しようと思って電源を投入したら壊れていた・・・という場合がほとんどではないでしょうか。音響機器は電源を入れた瞬間、または切った瞬間に故障する確率が高いのです。
ゼロクロススイッチは電源オンオフ時の電流を減らすことができるアイテムです。サージアブソーバーやゼロクロススイッチは使用すると音質が良くなるわけではありませんが、
何年も使用し続けるとオーディオ機器の劣化速度が遅くなり、初期性能を長く維持することで高音質を保つことができる可能性はあります。
● 電源品質変更系
オーディオ用電源は電圧は100vで、周波数は50または60Hzの正弦波が基本です。しかし、オーディオ用電源の中には電圧や周波数、波形を積極的に変更して好みの音に近づけようとするアイテムがあります。
例えば、アメリカでレコーディングする日本人ミュージシャンは多くいますが、彼らはアメリカの進んだ音響機器だけでなく、電源周波数が60Hzであることを重要視しています。日本でレコーディングスタジオは東京に集中しており電源周波数は50Hz。
50Hzよりも60Hzの方が電源トランスやコンデンサーの効率が良いことは古くから知られており、そのため音質も60Hzの方が良いと言われています。さらに80Hzにするともっと良くなるのではないだろうか?こんな時に使用するのが周波数可変型電源です。
電源周波数を変更し好みの音に近づけるというアプローチの電源装置です。交流モーターを使用した機器には使用できません。

嘗て重いアンプ程高音質と言われていた時代がありました。昔は小出力のパワーアンプはドライブ能力が低く、ダイナミックな低音は期待できませんでした。
大出力のパワーアンプを実現するためには大容量のトランスが必要です。トランスはパワーアンプの電源部に使用されるパーツです。
パワーアンプの増幅回路は100vで動作しているわけでなく、出力によって最適電圧が異なります。電圧を変化させるパーツがトランスで日本語では変圧器と言います。
パワーアンプの出力はすべてトランスによって変圧された電源をエネルギー源にしていますので『トランスが大きい=大出力のアンプ』が常識でした。ところで、トランスには面白い特性があります。
ある大きさのトランスを50Hzで使用し100wの電力を取り出すことができたならば、同じ大きさのトランスを500Hzで使用すると1000wの電力を取り出すことができるのです。
100wを取り出すのなら1/10の大きさのトランスでOK。この特性を利用したのがスイッチング電源です。スイッチング電源ではまず、50または60Hzの電源周波数を10000倍程に変換します。
その後2cm角程のトランスで変圧しますが、このトランスからは1000wもの電力を取り出すことが可能です。2000年以降、オーディオアンプには進化した電源回路であるスイッチング電源が使われることが多くなりました。
当初スイッチング電源はノイズが多いと言われていましたが、EUが厳しい規格を制定したためノイズは減少し、今では通常の電源と変わらないレベルになりました。
スイッチング電源をその後益々進化し、定電圧機能や瞬時の電源供給能力を大幅に高めることに成功し、今ではトランス式の電源とは比べ物にならない高性能になっています。
また、スマホやノートパソコンの普及により他のパーツも当時の半分以下の大きさでしかも高性能になりました。そのためアンプの筐体も小さくすることができます。
筐体は小さくなると相対的に強度が増し、外部からの振動に強くなります。これも高音質化の秘密のひとつです。このように現代のパワーアンプは小型軽量であるにも関わらずダイナミックな低音を再生します。

パワーアンプを叩いて良し悪しを判断する方法は、現代ではあまり意味はありません。これは真空管アンプ時代の名残。真空管は1914年にアメリカで実用化された古い設計の増幅素子です。
外部からの僅かな振動によってポップ音や歪が発生するため真空管を指ではじくとスピーカーから「コンコン」という音がしますが、スピーカーからの音圧でも同じような状態になり得ります。
そのためアンプを叩いてチェックするという風習がうまれたのですが、現代の半導体アンプは外部からの振動にはかなりタフです。
半導体アンプはスマホやウォークマンにも搭載されていますが、マラソンをしながらスマホで音楽を聴いても音が歪むというような事はありません。
CDプレーヤーを叩く方もあるようです。嘗ての CDプレーヤーは、回転する CDからレーザー光で信号を取り出して単純に出力するだけでしたので、振動によって読み込みエラーが発生する可能性がありました。
しかし、現在主流のマルチメディアプレーヤーは CDの10倍以上の高速で読み込みを行い、エラーが発生した場合は何度も再読み込み行い、半導体メモリ上に正確な音楽データを再構築し出力しています。
この技術によって自動車で使用しても音飛びがないプレーヤーを実現しました。
これだけの振動にもびくともしないオーディオコンポーネントがスピーカーから空気中を伝わってくる僅かな振動程度で音質が劣化するとは考えられません。
オーディオコンポーネントの中で叩くことに意味があるのはスピーカーだけでしょう。スピーカーのフロントバッフルは振動体であるスピーカーユニットを『振動しないように』固定することを目的としています。
そのためフロントバッフルは厚く、硬い素材であることが望ましく、叩いて良し悪しを判断する事は理にかなっている・・・ように見えるのですが、最近はそうでもありません。
最近ではフロントバッフルに木材を使用せず金属や樹脂を使用するスピーカーが増えました。これらは分厚い木のフロントバッフルよりも余程強度があります。
木材のバッフル板を叩くのとは音のし方が異なります。現代のスピーカーは叩いたときの音で強度を確認することは難しくなっています。

最近ではスピーカーシステムの性能が向上し、小型のブックシェル型スピーカーでも十分に迫力ある低音で音楽を楽しむことができるようになってきました。
『ブックシェルフ型スピーカー』とは本棚に入れて使用できるサイズのスピーカーという意味しますが、スピーカー本来の性能を発揮させるためには本棚で使用することはあまりおすすめできません。
ブックシェルフ型スピーカーの魅力を引き出すためには次の条件を考慮しなくてはなりません。
●スピーカーの周囲に音を反射するものが無い場所、つまり空間に浮いてるような状態で使用すること。
●がたつきがなく、しっかりと固定されている状態で使用すること。
これらの条件をクリアして、尚且つお部屋のインテリアとしても遜色のない空間を実現するのがスピーカースタンドです。
最近のブックシェルフ型スピーカーはスピーカースタンドを使用する前提で設計されているといっても良いでしょう。
ブックシェルフ型スピーカーには後面に低音部を出力するバスレフポートを持つタイプが多いのですが、こういったタイプはスピーカーと後ろの壁との距離を50cmから1m程は取らなくてはなりません。
また、ブックシェルフ型スピーカーは小型を活かした深いサウンドステージが魅力ですが、スピーカー周りの空間が少ないと奥行感が低下し、平面的な音になってしまいます。
もはや、スピーカースタンドもスピーカーシステムの一部と考え、十分なコストをかけなければならなくなっているのが現状です。最近はトールボーイ型スピーカーを購入する方が増えてきました。
ブックシェルフ型スピーカーと良いスピーカースタンドを一緒に購入する価格でトールボーイ型スピーカーが買う事ができてしまう。しかも低音はブックシェルフ型スピーカーよりもしっかり出る・・・というのがその理由です。
現在当社試聴室(ログハウス)ではトールボーイ型の米・JBL社Stage280Fやドイツ・クアドラル社ロジウム400を使用しています。

近頃はアナログレコードが人気ですが、レコードプレーヤーはオーディオコンポーネントの中で振動に対して最も敏感です。
レコードに刻まれた1mmにも満たない溝に針を落とし、溝の側面にある1ミクロン程度の凹凸を電気信号に変換するというオーディオコンポーネントです。
そんなレコードプレーヤーが不安定なラックに置かれていたら、再生音は歪みが増し、さらに悪い状況では、ハウリングが起こる可能性すらあります。
ハウリングとはスピーカーから再生された音や振動がレコード盤を振動させ、
その振動をカートリッジがピックアップして電気信号に変換し増幅されて、またスピーカーから再生されて・・・という無限ループによって『ボッ・ボッ・ボッ』という連続した低周波発振音が音楽に重畳する現象です。
このような場合の振動対策は『振動を止める』と『振動を伝えない』という2面作戦が必要です。
丈夫で振動に強いオーディオラックを使用してレコードプレーヤーへの振動を減少させます。
その上で、ゴム等でできた柔らかなインシュレーターをレコードプレーヤーの脚に使用して振動を伝えないようにもします。両方の対策を同時にとることが重要で、どちらかだけでは効果は半減します。
さらに理想的なオーディオラックを目指すのであれば、ラック自身に余分な付帯音がないことも重要です。
当社試聴室ではサウンドマジック製の防弾ガラスを棚板に使用したオーディオラックを使用しています。現時点での究極のオーディオラックと言えるかもしれません。
このラックは棚板1枚が11㎏もあり、それが直径38mmの真鍮の無垢の支柱で支えられています。
支柱を交換すれば高さの変更も可能です。棚板を叩いてみても『コツ・コツ』という音が僅かにするだけ。
さすが防弾ガラスだけあって1Kgの鉄球を1m上から落としても割れることはないそうです。見た目も美しく非の打ちどころがないのですが、問題は価格です。
棚板が3段のタイプで286,000円(税込)と高価です。
オーディオファンであれば迫力あるリアルな低音を不足なく再生したいと思うことでしょう。低音には『質』と『量』があり、両方ともに改善されなければなりません。
『質』は大変ですが、『量』は比較的簡単です。いくつかの方法がありますが、最も簡単なのはプリアンプの『トーンコントロール機能』を使う方法です。
音楽を聴きながら調整できますので初心者でも失敗のない方法です。
しかし、最近のプリアンプにはトーンコントロール機能がないモデルも多くあります。トーンコントロールを発展させた方法としてグラフィックイコライザーを使用する方法があります。
トーンコントロールよりも細かな調整が可能で、低域だけでなく全帯域の調整が可能です。しかし、この方法はそれなりのコストがかかります。
また、各メーカーをチェックしてみてもハイレゾに対応した現代的なグラフィックイコライザーは当社のRaicho7geq、Raicho7sc-geq、Cuculo3geqしか見当たりません。
本格的に増強するのであれば、サブウーハーを使用する方法があります。こちらはコスト増に加えて2台のサブウーハーの設置場所も検討しなければなりません。
嘗ては1台のサブウーハーだけを使用する時代もありましたが、最近では音場再生を重要視しメインスピーカーと同じように2台設置されることが増えています。
低コストで簡単に行う方法としてお勧めしたいのが低域増強アダプター(15000円・税込)です。
低域増強アダプターは低域に特化した簡易的なトーンコントロール。低音量を3段階に切り替える事ができます。低域増強アダプターは電源を必要としません。
これは低音を増加させるのではなく、中高域の音量を抑えることによって、相対的に低域が増強する仕組みです。
つまり、オーディオシステムの過剰な利得を低音に変えるアクセサリーと考えることができます。この方式は全体の音量が下がりますが、プリアンプのボリュームを上げることで中高域は同じ音量で、低域は増強されて再生する事ができます。
取り付けは簡単でプリアンプとパワーアンプ間に使用するだけでとても簡単です。

バッファーアンプと呼ばれるオーディオコンポーネントがあります。
CDプレーヤーやパワーアンプといったようなジャンル分けをすると、どのグループにも属しません。しかも利得は1でバッファアンプを使用しても音量は大きくも小さくもなりません。
バッファーアンプは緩衝増幅器とも呼ばれています。梱包に使用する緩衝材のようにバッファーアンプの前後のコンポーネントの影響を排除することだけが目的という増幅器です。
『A社のアンプはB社のスピーカーに合う』などと言われるようにオーディオ機器には『相性』があります。これは経験的に言われていることが多いのですが、電気的な特性を解析すると相性の秘密に近づくことができます。
プリアンプとパワーアンプにおいて、パワーアンプはプリアンプにとっては負荷と考えることができます。プリアンプはパワーアンプにとって信号源と考えることができます。
通常プリアンプとパワーアンプはダイレクトに接続されており、お互いに影響し合う関係です。
人と荷車のように考えると良いかもしれません。人が荷車を押すときに荷車が重いとゆっくりとしか押せません。力が弱い人が押しても速度は遅くなるでしょう。このとき力持ちの人が現れ、人と荷車の間に割り込みました。
力持ちなので軽々と荷車を押しています。間に力持ちが入ることによって人と荷車がそれぞれどのような状態であっても一定の速度で走ることができるようになりました。これを電気的に行っているのが緩衝増幅器なのです。
当社では真空管バッファーアンプ Cuculo3tubeを発売していますが、
プリアンプとパワーアンプを直結するよりもCuculo3tubeを介して接続した方がロスは減少することも。
『シンプル・イズ・ベスト』だけを優先させると むしろロスが増えるということも起こりえるのです。
Cuculo3tubeの真空管にはパトリオットミサイルを製造している米国レイセオン社製のサブミニチュア管5744WBが2本使用されています。この真空管がオーディオコンポーネントからパワー感がある低音と美しい余韻を引き出します。
オーディオを楽しむためには多くのケーブルの中から最適なケーブルを選択する必要があります。
● スピーカーケーブル
パワーアンプまたはプリメインアンプとスピーカーを接続します。多くは切り売りといって必要な長さだけ購入し自分で先端の処理を行います。
単にシース(ビニールの皮)を剥いて挟み込むだけでも音はでますが、当社ではバナナプラグをおすすめしています。
取り付けに特殊な工具を必要としません。誤って電線が外れたり、短絡したりすることが少なく、少ないロスで接続できて、外すときも簡単です。
● ピンケーブル
戦前に米RCA社が開発したプラグを使用するためRCAケーブルと呼ばれることもあります。CDプレーヤーとプリアンプ間やプリアンプとパワーアンプ間等多くの接続箇所でピンケーブルを使用します。
ピンケーブルは完成品で販売されています。3m以下の長さであれば神経質になることなく、どんなケーブルでも使用可能です。ノイズには弱いので注意が必要です。
● バランスケーブル
ピンケーブルと同様のラインレベルの信号の伝送に使用します。かつては業務用のケーブルでしたが現在は民生機にも使用されています。
バランスケーブルはノイズに強いため5mを超えるような長距離伝送も可能です。逆に短い距離ではその良さを発揮することができません。3m以下の場合はピンケーブルをおすすめします。
● デジタルケーブル
USBケーブルやデジタル同軸ケーブル、光ケーブル等があります。
これらは価格による音質の変化は比較的少なく、その選択はラフでもよいのですが、古いデジタルケーブルや長いデジタルケーブルは音質どうこうではなく、使用できる・できないがはっきりしています。
● HDMIケーブル
映像と音声の両方を1本のケーブルで伝送することが可能なケーブルです。ハイレゾにも対応しており、現在最も進んだ伝送方式です。HDMIの信号は非常に周波数の高い高周波信号です。
そのためケーブルの長さが3mを超えるような場合は注意が必要です。また、ケーブルを継ぎ足して使用することもおすすめできません。
最近は高価なHDMIケーブルも販売されていますが、素材や見た目よりも高周波特性が良いもので、必要最低限の長さの者を選ぶことが大切です。
● 電源ケーブル
IEC規格のACインレットの端子があるオーディオ機器に使用します。アース端子付きの3Pのプラグが使用されていることが多いのですが、日本で使用する場合2Pが基本で、機器はそのように設計されています。
日本でアースをとって使用すると逆にノイズが回り込むことがあるので注意が必要です。
多くの方はアースをとると音質が向上すると考えられているようですが、アースはノイズが気になる場合にしかなく接続するもので、アースなしで問題がなければアースは接続しないことをおすすめします。
● ヘッドホンケーブル
最近は有線のヘッドホンも減りましたが、ヘッドホンケーブルが交換できるモデルが増えてきたのは喜ばしいことです。
かつてのヘッドホンケーブルは無駄に長いものでしたが、持ち歩くメディアプレーヤーに使用するのであれば1m以下のケーブルが扱いやすく、音質も向上します。
また、現在では3.5mmのステレオミニプラグを使用するのが標準的ですが、業務用では6.3mmステレオフォーンプラグが使われているものも多く、
3.5mmから6.3mmへの変換アダプターが使用されますが、このアダプターは高音質とは言えません。
むしろ、3.5mmのステレオミニプラグと、6.3mmステレオフォーンプラグをもった2種のケーブルを使い分けた方が高音質です。

音量調節はボリューム・コントロール、単にボリュームということもあります。
回転するツマミをボリュームという人がいますが、たとえば、ラジオの選曲ツマミを『選曲のボリューム』というのは間違いです。
音量調節を行う方法はいくつか有り、それぞれに特徴があり音質も異なります。
● 可変抵抗
カーボン等の抵抗体の上を摺動子を動かすことで抵抗体の距離が変わり、抵抗値が変わる仕組みです。
回転型とスライド型があります。回転型は一般的なアンプに使用され、スライド型は業務用ミキサー等に使用されます。
聴感上回転角に対して音量が比例して上がるように聴こえるAカーブや回転角と抵抗値が正比例するBカーブ等、カーブを選ぶことができます。
可変抵抗は音量を連続可変することが可能です。オーディオコンポーネントには最も多く使用されています。小音量でも歪は少なく、音質はナチュラルです。
● アッテネーター
アッテネーターは固定抵抗をロータリースイッチで切り替えて音量を変化させます。カーボン抵抗や金属皮膜抵抗等、抵抗の種類を選ぶことができます。
また、ステレオで使用する場合、右チャンネルと左チャンネルの音量を完全に一致させることが可能です。
しかし、連続可変にはなりませんのでちょうどよい音量に調整しきれない場合もあり得ます。
● 電子ボリューム
半導体素子を使用して音量を変化させる方法で、ローコストでリモコンでコントロールするのに適しています。
抵抗を使用した方法よりも歪は多くなります。テレビ等の音量調節に使用されています。
● モータードライブ
可変抵抗器に小型モーターをとりつけて、モーターを回転させることで音量調節を行います。特徴や音質は可変抵抗器と同じです。
リモコンを使用して音量調節を行ったり、現在の音量をメモリーしたりすることが可能です。

入力機器によって入力回路や端子が異なります。
● ライン入力端子
CD入力端子と表示されている場合もあります。CDやDAC、フォノアンプ等、ほとんどのオーディオコンポーネントはライン入力端子に接続します。
単に入力1というように表示されることもあります。
● チューナー、テープ、AUX入力端子
30年以上前のプリアンプに表示されていました。入力回路はライン入力端子と同じですが、
ライン入力よりも若干入力電圧が低く最大電圧も低いので現代のUSB-DAC等を接続すると過大入力によって歪みが発生することがあります。
● フォノ入力端子(MM)
MMカートリッジまたは、MIカートリッジを使用したレコードプレーヤーを接続します。
また、一部の高出力MCカートリッジもこの端子に接続したほうが良い場合があります。
最近の入門用レコードプレーヤーにはフォノアンプが搭載されているものもあります。その場合はライン入力端子に接続します。
● フォノ入力端子(MC)
MCカートリッジを使用したレコードプレーヤーを接続します。
MCカートリッジにはインピーダンスのタイプが低(10オーム以下)、中(10~30オーム)、高(30オーム以上)の3種ありますのが、これを切り替える機能が追加される場合もあります。
● バランス入力端子
業務用の機器に使用されています。嘗ては600オームのキャノン端子でしたが、最近では10キロオームに変更されていることもあります。
バランス端子は長距離の伝送でもノイズの混入が少ないのが特徴ですが、必ずしも高音質ではありません。3m以下の接続はライン入力をおすすめします。

最近のプリアンプでは搭載されることが減ってしまいましたが、プリアンプの機能の中で最もありがたいのがトーンコントロールです。
トーンコントロールは音の周波数帯域を低域・高域の2つまたは低域・中域・高域の3つに分割し、それぞれに独立して増減させる調整を可能にしたものです。
1980年代までのプリアンプには必ず搭載されていた機能ですが、当時のトーンコントロールは歪も多くノイジーなもので、
CDが発売されると、使用しない方が良いという声が多くなりました。
最新のトーンコントロールでは、電子回路技術の発達と最新のパーツによって歪感やノイズを感じさせません。
トーンコントロールの使用方法にこれといった規則はありません。実際に音を聴きながら自由に調整していただいて良いと思います。
例えば、リスニングルームの音響補正に有効です。
フーローリングの部屋では床からの反射によって中域が盛り上がる傾向にありますし、
畳や厚手のカーペットの部屋では中域から高域にかけて音が吸われてしまいます。
ソファーやカーテンは高域を吸収し減衰させてしまいます。
こういったものをトーンコントロールによって症状をかなり軽減させることが可能です。
スピーカーの補正にも有効です。小形のブックシェルフ型スピーカーでは低域が不足する場合がありますし、
大型のフロアー型スピーカーでは低域がブーミーになることがあります。
スピーカーが設置されている向きや高さが耳の位置に合っていないと直線的に音が伝播する高域は減衰してしまいます。
さらに、古いジャズを聴くときに録音特性上、中域だけが盛り上がって聴こえることがあります。また、モノラル時代のオーケストラの曲では
高域が物足りないものもありますが、これらを聴きやすく調整することも可能です。
『トーンコントールを使用するのは良くない』という雑誌の記事にとらわれて、バランスの悪い音で我慢して聴くのはまったくナンセンス。
ムジカではトーンコントールを積極的に活用することをお勧めしています。
今回は1980年代以前のプリアンプには標準的に搭載されていた機能の中から、今や絶滅状態にあると便利な機能をご紹介します。
● ラウドネス・コントロール
ラウドネス・コントロールとはオーディオシステムを小さな音量で再生する場合に、自然なバランスで聴くための機能です。
人の耳の感度は音量によって変化します。
大音量では低域・中域・高域は同じ位の音量で聴こえますが、 小音量では中域に対して、低域・高域は小さく感じます。
この研究は戦前から行われており、1933年に発表されたフレッチャー=マンソン・カーブが有名です。
その後多くの技術者によって研究され 現在は2003年に東北大学の鈴木氏と竹島氏の特性カーブが国際的に広く認められています。
この特性カーブによると、60dBを下回ったあたりから人の耳はフラットな特性ではなくなり、
それ以下の音量では、音量に合わせて低音、高音の調整が必要です。 この特性を調整する機器がラウドネス・コントロールです。
単にON/OFFするだけのものが多いのですが、本来は音量によって補正が必要です。
そのため補正量を連続可変することができるツマミがついたタイプもありました。
● サブソニックフィルター
アナログレコード再生時、レコード盤に反りがあると本来の音楽信号に加えて、20Hz以下の超低域のノイズが重畳することがあります。
この20Hz以下のノイズだけをカットする機能です。CDでは全く必要のない機能ですが、
近年 YouTubeでのライブ配信でホールの空調等の不要な超低域をカットするというような使い方をされている方も。
20Hz以下のノイズは音としては聴こえませんが、パワーアンプのエネルギーだけを使ってしまう厄介な『音』です。
サブソニックフィルターを上手く使用するとパワーアンプの余分なエネルギーが使用されるのを抑え低歪な領域で動作させることができます。
今回は1980年代以前のプリアンプには標準的に搭載されていた機能の中から、今や絶滅状態の便利な機能をご紹介します。前回に続き、その2回目です。
● バランス・コントロール
左右の音量差を微調整する機能です。
アナログレコードが全盛の時代には、左右の音量がアンバランスになることがよくありました。
インサイドフォースキャンセラーやラテラルバランスといった
アナログレコードにおけるトーンアームの調整が完全にできていないことが原因であることが多かったのですが、
これらの調整要素がないレコードプレーヤーもあり、バランス・コントロールで微調整は重要でした。
現在、バランス・コントロールはリスニングルームの特性の補正に用いられることがあります。
スピーカーの右側は壁で、左側が窓のように左右の条件が異なる場合、バランス・コントロールでの微調整は有効です。
● ミュート
一時的に出力を大幅に減衰または無音状態にします。レコード盤に針を落とす瞬間等に利用していた機能です。
● スイッチド / アンスイッチド
嘗てのプリアンプの後面板に100vのコンセントがありました。プリアンプの電源スイッチに連動してON/OFFするコンセントがスイッチド、
プリアンプの電源スイッチに関係なく常に100vが通電されているコンセントがアンスイッチドです。
当時のプリアンプの電源スイッチは接点も小さく大電流に耐えうるものではなかったので
スイッチドコンセントから大型のパワーアンプを使用するとスイッチが溶着(スイッチが切れない状態になること)したり、
パワーアンプの音質が劣化したことから使用されなくなりました。
現在は大容量で低損失なスイッチが簡単に入手できるのですから、ぜひ復活させたい機能のひとつです。

1980年代のプリアンプには必ずヘッドホンアンプが搭載されていました。
当時のヘッドホンの用途といえば、テープへの録音時のモニターや深夜に音楽を楽しむためのものでした。
ところが、スマホが世に出てその用途は一変し、今やヘッドホンはスマホの機能の一部になったと言っても良いでしょう。
ヘッドホンもスピーカーと同じように電気信号を音に変換するコンポーネントで、増幅器から見ると負荷と考えることができます。
増幅器にとって重すぎる負荷は音質を劣化させ、故障の原因にもなり得ます。この負荷の重さを表す指標がインピーダンスです。
インピーダンスは低いほど過酷な負荷ということになります。1980年代のヘッドホンでは50オーム以上が一般的でしたが、
スマホの時代になるとインピーダンスは数オームに。
これにはスマホのバッテリーが影響しています。バッテリー電圧が5vしかないスマホでは出力電圧を大きくすることができず、
大音量を実現するためには多くの電流を流さなければならず、これがインピーダンスを低くしています。
数オームの負荷をドライブする増幅回路は、4~8オームのインピーダンスのスピーカーをドライブするパワーアンプに匹敵するドライブ能力です。
古いプリアンプに搭載されているヘッドホンアンプ回路は低インピーダンスのヘッドホンに対応していません。
そのため、現在のヘッドホンを使用すると音量が異常に小さかったり、低域の量感が不足したりします。
逆に、スマホに古いヘッドホンを使用するとどうなるのでしょう?この場合は音量が不十分で迫力のある音にはなりません。
ヘッドホンとヘッドホンアンプ回路には相性があるのです。
ただし、現代のヘッドホンであっても業務用のヘッドホンは50オーム以上のインピーダンスがあり、スマホで使用することはおすすめできません。
このようなヘッドホンを使用する場合は別途ヘッドホンアンプというコンポーネント使用するか、低インピーダンスに対応したヘッドホンアンプ回路を内蔵した機器が必要になります。
ムジカの現行モデルではヘッドホンアンプ Cuculo3hpaが相当します。

プリアンプはなぜ使用するのか?と思われる方もあるかと思います。
現在多くの方が使用するシンプルなライン入力のみのプリアンプでは、その機能は入力機器の切り替えと音量調節の2つしかありません。
オーディオファンの中には入力機器はCDだけだという方もあるかと思います。
また、パソコンのハードディスクにリッピングした音源を再生し、あとはインターネットラジオ、パソコンのDVDドライブでDVDとCDは再生する・・・ということでしたら入力機器はパソコンだけです。
そのような場合、プリアンプで使用する機能は音量調節だけです。
更には、ボリュームを搭載したパワーアンプを使用して音量調節ですら必要ない・・・ということもあるかもしれません。
ひと昔前には、シンプル・イズ・ベストといって、むしろプリアンプなどない方が良いという乱暴なことを書いたオーディオ誌もありました。
プリアンプを使用する意義は入力機器の切り替えと音量調節のためではなく、『音楽信号をパワーアンプのために最適化する』ことにあります。
音楽信号の電圧レベルやインピーダンスをパワーアンプが受け入れる最適値に調整し、スピーカーやリスニングルームの環境に最適化させることこそ重要なのです。
古いパワーアンプをお使いの場合、プリアンプを使用しないでUSB-DACを直接接続すると信号レベルがオーバーして歪んでしまったり、インピーダンスが合わなくて低音が不足したりすることもあります。
また、小出力のパワーアンプは利得も低く設定されていることが多く、十分な音量が確保できないことも。
プリアンプにトーンコントロール機能があれば積極的に活用してみることをお勧めします。
最新のトーンコントロール回路は低歪・ローノイズで、使用したからと言って音の鮮度が落ちることは考えられません。
むしろバランスの悪い音をトーンコントロールを使用しないで我慢している様は、良い音楽を聴くというオーディオ本来の目的から外れてしまうことにもなりかねません。