スピーカーブレーキ Cuculo-sb
Cuculoはイタリア語でカッコウを意味します。 ベートーヴェンの交響曲に『田園』という曲があります。 この曲の第2楽章は美しく、心休まる楽章です。 2楽章も終盤になるとクラリネットによるカッコウが登場します。 田園で最も印象的な小節です。 Cuculoシリーズは当社の最上級シリーズであるRaicho(雷鳥)シリーズを補うもので プリアンプやステレオパワーアンプ、プリメインアンプといったオーディオシステムの中枢をなすものではなく、 フォノアンプ等の周辺機器のシリーズです。 CuculoシリーズはRaichoシリーズと組み合わせて使用するだけのクオリティとデザインを備えています。 横幅は119mmとRaicho5シリーズの約半分でとてもコンパクト。 また、Cuculoシリーズは前面、上面、側面にはネジがありません。 単なる工業製品ではなく、見た目も楽しんでいただければと考えています。
本機は次の3つの機能をもつスピーカーの音質改善ツールです。
(1)スピーカーのダンピングを改善してハイスピードで締りのある低音を実現します。
(2)スピーカーが発生する逆起電力を吸収し、歪を抑えます。
(3)2つのスピーカーシステムを切り換えて1台のパワーアンプで再生する、所謂スピーカーセレクターとして使用することができます。
また、本機は入力側と出力側を入れ替えて使用することにより、2台のパワーアンプを切り換えて1つのスピーカーシステムで再生する、
所謂パワーアンプセレクターとして動作させることが可能です。
Cuculo-sbはDCブレーキ、ACブレーキ、ブレーキOFFの3つのモードをもちます。 DCブレーキはスピーカーと並列に抵抗を使用することによって、 全帯域の動的インピーダンスを低下させ、ボンボンと鳴く低域をハイスピードで締りのある低域にするモードです。 合わせて、逆起電力を吸収することで刺激的な音をナチュラルな音に変化させます。 ACブレーキは中高域のみに動作します。逆起電力を吸収することで中高域の音質は向上しますが 低域にはあまり変化はありません。このモードは真空管アンプの中高域のインピーダンスが上昇し 音が甘くなってしまう現象に対しても効果的です。 ブレーキOFFはこれらの機能は停止し、スピーカーセレクター、アンプセレクターとしてのみ機能するようになります。
Cuculo-pho-stのトップパネルにはノルウェー産の天然御影石『エメラルドパール』が使用されています。 エメラルドパールは『石』と『宝石』の中間に分類される高価な石材で『貴石』と呼ばれます。 エメラルドパールの中には半透明乳白色の結晶が数多く含まれていますが、 この部分はムーンストーンと呼ばれる宝石の原石です。 ムーンストーンは6月の誕生石にもなっています。 また、当社が位置する岐阜県・西美濃は昔から石材加工が盛んなエリア。 1936年に竣工された国会議事堂や1918年に竣工された大阪市中央公会堂(中之島公会堂)の大理石は 西美濃エリアで加工されたものです。 近年では中国等で加工される石材が多くなりましたが、 本機のトップパネルは西美濃エリアで加工されたものが使用されています。
Cuculo-pho-stのフロントパネルはとても複雑な加工がされています。 アルミニューム無垢材から1枚1枚削り出して製作されています。 プラスチックや薄い鉄板を曲げた「パネルもどき」ではありません。 切削に使用する機械は、たたみ2畳程の大きさ。 高速に回転する刃物がアルミニュームを少しずつ削っていきます。 1枚のパネルを削るのに20分もの時間を要します。 当社が位置する岐阜県・西美濃エリアは自動車産業や航空機産業が盛んなエリア。 こういった特殊技術をもつ協力工場でCuculo-pho-stのパーツの80%以上が製造されています。
オーディオ機器は非常に高度な電子機器です。 日本の「ものづくり」は故障やバラツキの少なさで品質世界一になりました。 これは緻密な設計に加え、長年培ってきた「ものづくり」に対するこだわりがあるからです。 musicaの製品は水と自然に恵まれた岐阜県・西美濃エリアで製造されています。 例えばプリント基板。当社で設計されたオリジナルのプリント基板は 当社と同じく岐阜県大垣市にある協力工場で生産されています。 この工場では信頼性が要求される自動車・レクサスや北陸新幹線のプリント基板も生産しています。